沿革

ヨーロッパ最大の自動車会社

1898年にフランス人技術者のルイ・ルノー(Louis Renault 、1877年-1944年)とその兄弟によって「ルノー・フレール(ルノー兄弟)」社として設立された。現在は主に中小の乗用車や商用車を手掛ける。過去には商用車専門の子会社のルノーV.Iで大型トラックや軍用車両の生産、第二次世界大戦前は航空機やボートも生産していた。

今日では、PSA・プジョーシトロエンと並び、フランスの二大自動車企業の一角を占め、先進的なデザインと優れた安全性能、高品質が高い評価を受け、1998年以降2004年まで連続でヨーロッパ第1位の販売台数を維持した。

2007年現在日本の日産自動車、韓国のルノーサムスン自動車(ルノー三星)、ルーマニアのダチアの株式を保有し、これらの会社を傘下に収める。これらの傘下に収めたグループ企業を含めると、アメリカのGMグループとフォードグループ、日本のトヨタグループに次いで世界第4位の乗用車生産台数になる(2006年度実績)。また商用車製造社の世界的再編では、商用車専門の子会社のルノーV.Iをボルボに売却する一方、ボルボの株を20%保有し影響力を保持している。

安全への取り組み

クリオ・ルノースポール市販車で初の四輪ディスクブレーキ採用など、古くから安全性の向上に力を入れている。近年では、運転中の危険回避を補助するESP(エレクトロニック・スタビリティー・プログラム)を積極的に採用する他、世界で最も高い権威を持つ自動車衝突安全性テスト「ユーロNCAP」において、2006年現在で8車種(モデュス、クリオ、メガーヌ、メガーヌ・グラスルーフ・カブリオレ、セニック、ラグナ、エスパス、ヴェルサティス、 コレオス)が5つ星の評価を得ており、これは世界の自動車会社中最多を誇る。

社名の発音について

フランス語はつづりと発音が完全に一致する言葉であるが、Rで表す音は英語の巻き舌の音ではなく、英語のRの音が日本人にはLの音に 聞こえるのに対して、この音はLの音には聞こえない。多くの場合、日本人の耳には不明瞭なHの音に聞こえるが、喉の奥から息を吐き出すところ が同じであるものの、摩擦音が入っているところが違う。ちなみに摩擦音を伴わないいわゆるHの音は一般的にフランス人には聞き取れない。 また、Rに続くeの音はきわめてあいまいな弱音をあらわし、日本語ではう音に近いが[う]や[お]のように唇がせばまらないあいまい音となる。

従ってフランス語圏での発音に一番近いカタカナは「フノー」、あるいは(auが表わす音は日本語のお音より唇が狭まらない[お]であって長さには よらないので)場合により「フノ」である。

しかしながら正確にはHの音でもFの音(くちびるを閉じて強く息を吐き出す)でもないから、[フ]をあてるとすると、 逆に日本語のふ音により近いfeでつづる音との区別がつかない。また、表記のRは一般的にラ行にあてるので、「ルノー」と表記されている。

Renault S.A.S.

種類 株式会社
本社所在地 フランス
ブローニュ=ビヤンクール、ケ ル・ガロ13-15
設立 1898年10月1日
業種 輸送用機器
事業内容 自動車
代表者 カルロス・ゴーン(取締役会長兼CEO (PDG)、
子会社の日産自動車の社長兼CEOと兼務)
資本金 10億8,561万0,419.58ユーロ
売上高 406億82百万ユーロ
(2007年12月31日終了事業年度)
主要株主フランス政府 15.01%
日産ファイナンス(株) 15.00%
(2007年12月31日現在)